
――タイの観客はその大半がギャンブラー。武田選手は首相撲で捕まっても暴れて脱出してパンチを乱れ打ちしていたから逆転勝ちの目があると思っていたんじゃないですかね。
石井 日本人選手が負ける典型的なパターンになっていましたね。倒せたら、問題なかったんですけどね。自分も何回かこっちで闘っているけど、今日は見ていてすごく勉強になりましたね。
長南 倒せばいいんですよね。倒せば、誰にも文句はいわれない。
石井 タイ人も向かってきてくれたらいいんですけどね。自分が勝っていることがわかったら下がりながら試合を流すから、なかなかパンチはクリーンヒットしない。
長南 そう、5ラウンドになったら、勝っている方は試合を投げるじゃないですか。あんなの、日本だったら考えられない。日本の格闘技とは考え方そのものが違う。
石井 さっき大輝選手や武田選手の試合を見ながら、観客席でそういう話をずっとしていたんですよ。もし俺が後楽園で同じことをしたら大変なことになる。逆に自分がラジャで自分が4Rまでに勝っていて、5Rにあれをやったらカッコいいなぁと思いましたけどね。ただ、実際には勝っていても、なかなかできないでしょう。セコンドに「流せ」といわれてもね。
――ムエタイのポイントのとり方は熟知している?
石井 完璧に染みついたわけじゃないけど、少しずつわかっていた感じですね。今回はとくに試合もよく見ているので。

――石井選手は来る3月9日、後楽園ホールでシンマニー・ソーシンソンポンが保持するラジャダムナンスタジアム認定スーパーライト級王座に挑戦します。(※取材日:2月10日 試合は惜しくも判定で敗れた。)今日はリング上でシンマニーやプロモーターとともに記念撮影をしていましたね。
石井 ジャルンチャイが保持していたラジャのライト級王座に挑戦したのが2005年。あれからもう3年ですか。月日が経つのは本当に早いですね。今回はどうしても獲る! 3年前はムエタイ自体がそれほどわかっていなかったけど、いまは知識的にだいぶ違うと思う。体力的にもレベルアップしているのし。
長南 勝てるでしょう。今回はタイトルマッチですからね。内容じゃないと思う。打ち合いような激しい試合は別のところでもできる。今回はムエタイという難しい基準の中で、最大限に力を発揮してほしい。いい試合しようなんて気持ちを王者は持っていない。それが戦いというものですよ。そのへんは日本のファンも勘違いしないでほしい。
――長南選手の次戦は?
長南 たぶん6月あたりになるんじゃないですかね。(後日、『UFC85』(6月7日・ロンドン)でホアン・ジュカロン・カルネイロと対戦することが決定)ちょっと間隔が空きそうだったので、一度キックの試合に出ようと思ったんですよ。結局UFCサイドからNGが出て、ダメになったんですけどね。(タイ料理を食べながら)ゴホゴホッ、うわぁ、辛いのが口の中に入っちゃった。
――そろそろ夜の部が始まると思うので、スタジアムに戻りましょうか。今日は本当にありがとうございました。
