
好評の石井宏樹−長南亮の対談の後編をお届けする。ヒジの話、タイでの生活、ラジャで目撃した日本人選手の試合・。話が尽きることはなかった。
(聞き手&構成&写真◎布施鋼治)
――ムエタイといえば、ヒジ打ち。日本国内の総合ではヒジ打ちを禁止しているところが多いけど、UFCではOKじゃないですか。
長南 そうですね。ヒジ打ちのことはトレーナーに聞いています。
――あっ、あの背の高い人ですね。以前、彼は学校の先生をしていたらしいですよ。
石井 へぇ〜。
長南 今まで日本で習っていたヒジ打ちとは違うヒジ打ちを習っているような感じですね。とくに緩急のつけ方は勉強になる。緩急をつけて力を抜いたところから入っていかないとヒジは回せないといわれました。この間、UFCでカロ・バリジャンとやった時もヒジを狙ったけど、ダメでしたね。組み合いでワキをとれても、ヒジに行くという力が働かなかった(2007年11月17日、長南の判定負け)。
――ところでこちらの生活はどうですか?
長南 タイは生活の部分はすごく面白い。なんだか予期せぬものがいっぱいある。
石井 ジムに寝泊まりしていたら、練習、食事、睡眠の繰り返しですけどね。唯一の楽しみは朝練習が終わったあとに行くタイマッサージくらい。ジムの近くに2時間で200バーツ(約700円)というところがあるんですよ。
――それは安い! 都心だったら、400〜500バーツはしますよ。
石井 マッサージを受けているから、午後の練習にも耐えられる。
――チューワッタナジムがあるのはヤワラー(中国人街)。露店では錆び付いた水道の蛇口とか本当に得体のしれないものが売っていますよね(笑)。
長南 町の風景もトイレも寮に住んでいる奴らの行動も予想外のことが多すぎる。水を買っても、誰かに飲まれていますからね。自分が飲もうと思ったら、ほとんど残っていない(苦笑)。
石井 そう、人の水なのに当たり前のように飲んでいるんだよね。
長南 あと普段は一階にいる犬が夜中に突然2階に駆け上がってきたりしてね。
――今日は練習したくないなという日はなかった?
長南 朝6時から練習なんですよ。さすがに寝起きはイヤですね。朝は1時間ほどジムのまわりを走る。
石井 コースは決まっていて、ジムの近くをグルグル回っているだけ。1周1キロのコースを10周走る。試合が決まっていないタイ人以外はみんな走っていますね。
長南 でも、俺らが一番走っているよね。
――今日ラジャダムナンスタジアム定期戦の夕方の部では日本人選手がムエタイに挑戦する試合がたくさん組まれました(JMC横浜ジムのタイ遠征)。残念ながらみんな負けてしまいましたけど。
石井 悔しいですね。やっぱり同じ日本人としてなめられたくないじゃないですか。
長南 最期の試合は盛り上がりましたね(武田一也VSヨードクンポン・モンコンデット)。普通にいったら、あっち(タイ人)の勝ちだと石井さんは言っていたけど、あの観客席の盛り上がりは何だろうと思いました。
