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山田隆道のにわかでゴメンよ!

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第16回「意外な人気選手」

 家の近所に週に四回ぐらいは通っている馴染みの飲み屋がある。夜中に一人でふらっと訪れてはビール数杯と少々の焼酎をいただき、店主と与太話をしてから就寝するというのがお決まりのパターン。常連客は皆、近所のおっさん連中ばかり。女っ気などまったくなく、僕も自宅感覚でくつろぎまくっているわけだ。

 しかし、先日、夜中の2時ぐらいにその店に顔を出したら、なぜかその日に限っていつものカウンターに若い女の子が4人も座っているではないか。ちなみにカウンターは全部で6席ほどしかなく、真ん中を4席も占領されたら僕が座るところは一番端の息苦しいところしかなくなってしまう。仕方なく僕は「すいません」と言いながら女の子たちの後ろを通り、女の香りにドキドキしながら晩酌することになったのだ。

  普通、男だったらこういう状況って結構楽しいはずである。もしかしたら、新たな出会いがあるかもしれない。馴染みの飲み屋で偶然芽生えた恋って何だか素敵じゃないか。
 しかし、彼女たちを見れば見るほど、僕からそんな気持ちが失せていった。
  なぜなら、その女の子たちはみんなビックリするぐらいの超ギャル。4人が4人とも揃いも揃って松崎しげる以上に肌の色が黒く、髪の毛なんか金髪に白髪、ピンクのエクステに青緑のメッシュ、メイクはもちろんパンダ風という30代の僕にとってはかなりの異星人。正直、「なんで君たちがこんなオッサンだらけの飲み屋にいるんだ!?」って不思議に思うぐらいの女の子ばかりだったのだ。
 しかも、みんな声が異様にでかいし、リアクションも滅茶苦茶オーバー。大声で手を叩きながら笑うし、ことあるごとにカウンターをどんどん叩く。揚げ出し豆腐を見て、「超ウケる~!!」と笑っていたが、揚げ出し豆腐のなにが面白かったのだろう。あと、気になったのが、お箸の持ち方と御飯の食べ方。みんな見事にバッテンになってて、肘をつきながら皿からかきこむように飯を食うのだ。
僕は「最近のギャルってこんなことになってるんだあ」と半ば感心しながら、ずっとギャルたちの言動を観察した。すると、驚いたことに途中からギャルたちの会話が格闘技談義になったのだ。

  まずは金髪が先陣を切った。

金 髪「青木真也やばくね?」

白 髪「超マジやばいっしょ」

ピンク「永田さん、癒しじゃね?」

青 緑「マジうける!」

  まあ、こんな感じだから何を言っているのかはよくわからないのだが、とにかく青木真也とか永田克彦とか若いギャルの口からは非常に珍しい格闘家の名前がぽんぽん出てくるというわけ。けど、ここまではまだいい。多分、彼女たちの間でDREAMが流行っていると考えればわからなくもない。
 しかし、金髪が言い放った次の台詞には僕も度肝を抜かれてしまった。

金 髪「でも、これからはやっぱイマナーだよね!」

 え……? イマナー?
  今、確か「イマナー」って言ったよね? イマナーってあれですか? 今成正和のことっすか? 足関十段のことっすか?
 すると白髪とピンク、青緑も金髪に賛同した。

白 髪「わかるわかる! イマナーってかわいいよね!!」

ピンク「あの坊主頭、触ってみたくない?」

青 緑「笑うと犬みたいだしさあ!」

 うっそーん!! 今成選手ってギャルに人気あんの!?
  失礼かもしれないけど、とてもそんな感じのキャラには見えないけどおおおお!!
 どっちかって言うと、マニアックなおっさんに人気ある選手だと思ってた!!

  ってなわけで、その後もギャルたちはイマナー談義に花を咲かせ、明け方頃には今後の今成選手の活躍に期待するような次の結論で宴をしめた。

一同「イマナー、超マジKIDとあついよね」

 ……まあ、なんだかよくわかんないけど、そういうことらしい(笑)
  とにかく僕も今成選手を応援します!






次回更新は、9月26日(金)です!お楽しみに!!

PROFILE

山田隆道(やまだ たかみち)



ちょっと格闘技が好きな漫画原作家。
そこまでマニアではないと言いつつも、渡辺啓とのユニット「あおい」として 女子総合格闘技をテーマにした漫画「彼女色の彼女」(幻冬舎)を発表。
他の主な漫画作品に「リサーチャー」「借金カノジョ」(いずれも幻冬舎)がある。
また、様々な雑誌で連載コラムも多数抱えており、シレっと格闘技について語ったりしている。

詳しい情報や近況は
オフィシャルブログで!




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