僕はスポーツに関してはわりとベタベタな趣向の持ち主だ。プロ野球は阪神ファンなのだが、子供の頃一番魅せられた選手はやっぱり掛布雅之。相撲だったら千代の富士が好きだったし、バスケならマジック・ジョンソン、ボクシングなら辰吉丈一郎、キックボクシングなら立嶋篤史と、つまりはその競技のカリスマ的存在をことごとく好きになるという非常にわかりやすいオーソドックスファンなのである。
従って、「総合格闘技なら誰のファン?」と問われると、答えは簡単。僕の脳は瞬時に桜庭和志に反応し、DREAMなんかを観戦すると今でもサクちゃんの煽りVから入場までの流れに鳥肌がたってしまう。いくら歳をとって心のキャンバスが群青色みたいにグチャグチャになったとしても、スポーツという真剣勝負の前ではサクちゃんに少年の頃のヒーロー像を重ね合わせてしまうのだ。
さて、そんなサクちゃんも先日のDREAMでマヌーフに惨敗し、再び限界説が騒がれているようだ。僕も当然、サクちゃんの衰えが大いに気になった。けど、僕は専門家じゃないので詳しい技術論とかはまったくわかんないわけで、ただテレビを観ていてやたらと目が奪われてしまったのはサクちゃんの乳首である。簡単に言うと、全盛期に比べてサクちゃんの乳首の位置が圧倒的に下がっているのだ。
や、別にふざけているわけじゃない。先日のサクちゃんの煽りVでも「衰える肉体」という表現が使われていたが、ようは乳首の下降に彼の肉体の衰えを感じてしまったということ。僕が思うに乳首ほど人間の栄枯盛衰を物語るパーツはない。誰でも赤ん坊のときは美しいピンク色なのに、大人になると乳輪がでかくなる奴はいるわ、乳頭が黒ずむ奴はいるわ、毛が生い茂る奴はいるわ、たまに陥没しちゃう奴までいる。大体、奈美悦子なんか大人になって乳首が片方なくなったぐらいなんだから、まったく乳首って野郎はほとほと先々の行動の予測がつかない変わりもんなのである。
かくいう僕も若い頃は小ぶりで美しいピンク色の乳首を誇っていたが、三十を超えたぐらいから段々乳首に艶がなくなっていき、今の乳首は全盛期に比べ、かなりポジションが下がっている。最近じゃ、腕の関節の位置あたりまで乳首が下がり、周囲のオッパイ脂肪がユルユルになったことで昔は綺麗な円形だった乳輪も何だか情けない楕円形になってしまった。まあ、僕の場合、自慰するときに自分で乳首をいじる習性があるため、通常よりも乳首にかかる負荷が大きく、ダメージの蓄積もあるのだろうけど。
また、友人のRも最近、乳首の衰えに悩んでいる。Rは今年で四十歳になる女性で、若い頃はレースクイーンをやっていたぐらい美しく、男にモテまくったらしいのだが、今ではすっかり結婚して落ち着いており、今年の春には長男を初産。しかし、赤ん坊にオッパイをあげようになって初めて、自分の乳首の変化に気づいたらしく、先日、僕にこんな話を打ち明けてくれた。
「私ね、若い頃に比べて、どうやら乳首が長くなったみたいなの」
「は? どういうこと?」
「まあ、歳をとったのもあるけど、ほら、私って乳首が性感帯だから、それで長くなったみたいなのよね」
し、知らなかった!! 乳首が性感帯だとそうなるの!? 僕も乳首好きだけど、別にそこまで長くなってねえぞ!!
「山田くんも気をつけたほうがいいよ。人間の乳首って不思議でね、吸われれば吸われるほど長くなるみたいだからさ」
衝撃の乳首トリビアである。確かに性癖が多様化する現代にあって、乳首が大の性感帯という人間は少なくない。Rも若い頃からHのたびに乳首を攻められるのが大好きで、最初はソフトにいじられる程度だったのが年輪を重ねるごとにどんどんエスカレートしていき、挙句、随分と乱暴な攻撃を乳首に施すようになっていったとか。そして、年輪と乳輪の大きさが見事な正比例を奏で、乳首が首長族のように長くなっていったのだ。
「赤ん坊にオッパイあげるとき、乳首が長いと大変なのよ。ほら、水鉄砲でも鉄砲が長いと、それだけ水の勢いが出るでしょ? あれと一緒で普通の乳首よりミルクの勢いが強いみたいで、赤ん坊がびっくりするみたい……」
へえ、へえ、へえ、へえ、へえ、へえ!!(古い)嘘のような本当の話である。乳首の長さとミルクの勢いにこんな深い関係があるとは夢にも思わなかった。
僕は乳首が秘めるポテンシャルに、まだ見ぬ宇宙のような果てしなさを感じた。いやはや、夢溢れる乳首ロマンである。いつのまにかサクちゃんの乳首から随分と話がそれてしまったが、それだけ乳首は深いってことだ。人間の乳首は位置の変化や乳輪の肥大化、変色、陥没、発毛に加え、長さの変化まで秘めているのか。乳首は生きているのだ。
次回更新は、7月4日(金)です!お楽しみに!!









